工事の方法も未定
同ホテルは2014年6月に別館(39室)を閉鎖している。そうした過去もあり、ファンの間では「ついに本館もか……」という思いがあるのかもしれない。
山の上ホテルの担当者に聞くと、次のように説明した。
「2024年2月12日までは通常通り営業いたします。翌13日から休業ということになる。耐震補強ための工事なのですが、どのような規模になるのかまだわかっていないこともあり、再開の時期は決定していません」
工事の方法についても、外観をそのままに耐震強化をするのか、それとも全体を建て替えてしまうのか、現時点でははっきり伝えられないとのことだった。休業期間は少なくとも年単位にはなるそうだ。
「ホテルオークラが2019年に本館を建て替えて『The Okura Tokyo』としてリニューアルオープンした際は、建物全体を建て替えしたものの、有名なロビーはそのまま再現し、オークラのエッセンスを具現しましたが、外観も含め様々なアプローチでの改装方法も考えられますね。山の上ホテルは多くの文化人が利用し、締め切りが近づくと出版社の編集者に“カンヅメ”にされて執筆したといいます。多くの名作を産んだ山の上ホテルは、東京の文化的成熟に貢献してきたホテルと言っていいと思います」(前出・瀧澤氏)
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