なお金融商品を取り扱う業者の場合は、金融庁のホームページで金融庁の免許や許可を受け、登録されているかチェックすることも大切です。無登録の場合は詐欺業者の可能性もあるので注意してください。
※金融庁「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」
https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html
※金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」
https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/mutouroku.html
【チェックポイント2】何のために無料セミナーを企画しているのか想像する
どの主催者もセミナーを開催する目的を達成するために、無料で人をたくさん集めようと考えます。参加するならば、主催者が何のために企画しているのか、参加した後にどうなるかをイメージしてからにしましょう。
【金融機関】
ほとんどの場合、その会社が取り扱う商品の販売につなげることが目的です。保険会社や保険代理店であれば保険商品、証券会社や銀行であれば口座開設など。金融商品仲介業者であるIFA主催であれば商品の仲介料が目的の可能性もありますし、公正中立のFPをうたっていても、実は商品を取り扱っていることもあります。不動産投資業者であれば、ワンルームマンション投資などにつなげる可能性もあるでしょう。
主催者の目的によって、同じ「資産形成の手段」というテーマでもおすすめする商品はまったく異なるため、注意が必要なのです。
【金融業界以外の企業】
先日、某家電量販店から「無料でライフプラン診断をしませんか?」という営業電話がかかってきました。昨今、金融商品とは一見無関係な企業でも自社グループ内に保険代理店があったり、金融業界の会社と提携したりしているところもあります。
また、新聞社や出版社の場合は、協賛企業や後援企業などをチェック。金融機関などとコラボしていれば、最終的には商品販売につなげることが目的となるでしょう。一方、企業ではなく、金融庁や自治体が協賛や後援についていれば、個別企業の商品販売がゴールではなく、参加者のマネーリテラシー向上や国の政策(「資産所得倍増プラン」など)上の活動が主な目的と考えられます。
【会員制マネースクール】
商品の仲介や販売をしていない企業や団体であれば、有料マネースクールの本会員増加を目的としていることが多いでしょう。
【業界団体】
個別企業の商品販売などは目的ではないですが、マネーリテラシー向上に加えて、それぞれの団体が発展を目指す商品の認知度アップが目的になっていると考えられます。
【自治体・NPO法人】
市民のマネーリテラシー向上や、NPO法人の活動発信などを目的とするケースが多く、商品の宣伝を受けることは少ないでしょう。
【チェックポイント3】自分は何が不安なのかを明確にして、関連する本を3~4冊を手に取る
そもそも、なぜマネーセミナーに行こうと思ったのでしょうか。同僚にNISA(少額投資非課税制度)の話をされてちんぷんかんぷんだった、友だちが投資で儲かった話をしていて始めてみたくなった、預金通帳を見て漠然と将来が不安になった……など、お金の勉強をしたくなった背景があるはずです。まず、そこを明確にしましょう。
そしてセミナーに行く前に、図書館やブックカフェなどで不安を解消できそうな本を3~4冊ほど手に取り、目次だけでよいので読んでみてください。複数冊に目を通せば、「何を知りたいのか」が明確になってきます。できれば本で知識をつけるのが良いですが、どうしてもセミナーに行きたい場合は、できるだけ商品販売が目的でない自治体や業界団体、金融庁主催のものを選ぶと比較的安心でしょう。とはいえ、セミナー自体の質は講師によるところが大きいため、過度な期待は禁物です。