代行サービスはあくまで仲介業
こうした代行サービスに注目が集まる一方、どこまで頼っていいのかの判断は難しい。シニア生活文化研究所の小谷みどり代表理事が言う。
「墓じまい代行サービスはあくまで仲介業なので、現場に来るのは別の業者という点は理解しておきましょう。全国統一の基準額は出ていますが、末尾の『~』の表記からもわかるように、現場の業者から追加費用を求められる可能性があるということです。また、料金が適正かを考えるうえでは、複数の代行業者や地元の石材店など数社の見積もりを取ったほうがいいと思います」
小谷氏は、サービスを利用するにしても、最初から“丸投げ”はしないことが望ましいとする。
「まず、今あるお墓について調べましょう。都営などの公営霊園では無縁墓を減らすために“墓じまいキャンペーン”をやっていることがあり、その場合は撤去費用を自治体が負担してくれます。丸投げよりも費用を圧縮できるケースがあるわけです。離檀料についても、先に法事などで渡すお布施の3回分くらいの額を渡すと、先方もさらに寄越せとは言えないもの。本当に代行業者に任せたほうが安くて楽かはケースバイケースです」
置かれた状況に応じた検討が重要になる。
※週刊ポスト2023年11月17・24日号
【グラフ】墓じまい件数の推移