ガソリン車と電気モーターを組み合わせたハイブリッドカー、クラウドコンピューティングと人工知能を組み合わせた自動運転も、それぞれの知識を「組み合わせ」たことで初めて、新しいものになったと言えるだろう。
身近な例で言えば、ハンバーグのつくり方とバンズの特徴などの知識がまったくなければ、ハンバーグとバンズを組み合わせたもの(ハンバーガー)が美味しくできないのと同じだ。
それゆえ知識として、既存の概念をもっている必要がある。一方で知識が豊富だとしてもイノベーションが生まれるとはかぎらない。なぜなら、その知識を「組み合わせ」る必要があるからだ。
【プロフィール】
田中猪夫(たなか・いのお)/Creative Organized Technology LLC General Manager。1959年、岐阜県生まれ。故・糸川英夫博士の主催する「組織工学研究会」が閉鎖されるまでの10年間を支えた事務局員。20代に、当時トップシェアのパソコンデータベースによるIT企業を起業。30代には、イノベーションの宝庫であるイスラエルのテクノロジーの日本へのマーケット・エントリーに尽力。40代には、当時世界トップクラスのデジタルマーケティングツールベンダーのカントリーマネージャーを10年続ける。50代にはグローバルビジネスにおけるリスクマネジメント業界に転身。