元夫が最高の“茶飲み友達”に
互いの生活を尊重し、別れても良好な関係を築いている夫婦もいる。昨年末に離婚したAさん(57才)はいま、元夫が最高の“茶飲み友達”になっていると話す。
「1才年上の元夫はまだ働いていて、子供3人はすでに独立しています。私は結婚して30年以上、家事・育児すべてをこなし、パートで稼いだお金を家に入れてきました。おしどり夫婦ね、と言われることも多かったけれど、私ががまんしていたこともすごくあった。
『良妻賢母でいたい』と自分に言い聞かせてきたものの、昨年、友人が病気で相次いで亡くなってしまって……。いつ死んでもおかしくない年齢だと考えたら、今後は自分のために生きてもいいんじゃないかと思ったんです」
Aさんが「最初で最後のわがままです」という言葉とともに夫に本心を打ち明けると、最初は戸惑っていたものの理解して離婚に応じた。
「私は妻や母という役目から卒業したかっただけで、夫が嫌いになったわけではありません。だから、いまでも連絡を取り合うし、私のひとり暮らしの部屋に夫が訪ねてくることもあります。そんなときの夫は『おじゃまします』と気恥ずかしそうにしていて、なんだか新鮮で。
もともと気が合うから一緒にいたわけですし、これからは新しい関係性を築いていけるんじゃないかと楽しみですらあるんです」
熟年離婚は、人生の後半戦において自分の幸せを追求するひとつの手段。そう考えれば、答えが自ずと見えてくるのかもしれない。
※女性セブン2023年11月23日号