投資信託を積み立てた場合の復活パターン
同じ株を複数回買ったり、投資信託を積み立てしている場合は、「平均購買単価×保有数」分が復活します。たとえば投資信託を5000円で1口、6000円で1口、7000円で1口購入し、2口売った場合に復活する投資枠は、(5000円+6000円+7000円)÷3×2=1万2000円になります。実際にはもっと複雑な数字になりますので、これを売ったらいくら復活するの?と混乱するかもしれませんが、おそらくたいていの証券会社で、売却によって復活する非課税投資枠の金額表示がされるのではないかと思います。
年末ぎりぎりの売却だと翌年復活しない場合も
投資枠が復活するのは売却した翌年です。年の初めのほうに売却すると、翌年まで非課税枠での投資をしたくてもできないのでウズウズするかもしれません。そのため年末ぎりぎりまで待って売却したほうがお得な気がしますが、待っている間に、株価や投資信託の基準価額が下落して利益が減少してしまうと本末転倒。自分が売り時と思ったタイミングで売るほうが賢明です。
翌年に投資枠が復活する条件としては、年内に「受け渡し」が完了していなくてはなりません。受け渡しというのは、株や投資信託を売却してそのお金が振り込まれることです。日本株やETF(上場投資信託)は、約定日(売買が成立した日)を含め3営業日目が受け渡し日となります。投資信託の場合は、おおむね約定日から2~5営業日と商品によっても違いますので、特に年末の場合は、すこし余裕をもって売却するのがよさそうです。
配当金や分配金の再投資には注意!
分配金や配当金を受け取り、それをNISA枠で再投資した場合は、その分も投資枠を消化します。資産形成の観点からは、配当や分配金は再投資して複利効果を最大化させたいので、若干モヤモヤします。そういう意味では、新NISAのメリットを最大限に活かせるのは、分配金を出さない、もしくはファンド内で再投資してくれるタイプの投資信託といえそうです。