リフォームにお金をかけて施設入居費用がなくなる本末転倒
施設の情報収集や入居前のシミュレーションが欠かせない一方で、在宅介護に備えた自宅のリフォームに大金をかけるのは賢明ではない。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが解説する。
「いくらリフォームにお金をかけても、健康状態が悪化して自宅が“終の棲家”ではなくなる可能性は充分に考えられます。リフォームにお金をかけすぎて、施設の入居費用がなくなっては本末転倒です」
自宅のリフォームは、介護保険が適用される「最低限」の範囲内で充分。例えば、廊下や玄関、トイレ、浴室の手すりの取りつけなら、1本5000~1万円で済む(工事費用は別途)。
「段差解消のためのスロープの設置は5万~7万円、開き戸を引き戸にする工事は7万~10万円もかかります。介護ベッドなどもわざわざ購入する必要はありません。介護保険でレンタルできる上、レンタルの方が最新式を使うことができます」(黒田さん)
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