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生前贈与して自分の老後資金が足りなくなる本末転倒 暦年贈与の仕組みを勘違いして課税されるケースも

 また2023年現在、110万円の暦年贈与の枠内であっても、贈与した人が亡くなると、その3年前までの分は「相続の先渡し」とされて相続財産に持ち戻される。これが2024年からは持ち戻しの期間が「亡くなる7年前まで」に延長されることが決まっている。

「代わって2024年からは、最大2500万円まで非課税で贈与できる『相続時精算課税制度』に、年間110万円までの非課税枠が設けられます。そのため来年からは、暦年贈与よりも相続時精算課税制度の方が使いやすくなります。

 一方で、そもそも法定相続人ではない孫などに贈与しておけば持ち戻されることはないので“孫には暦年贈与、子供には精算課税制度”などと使い分けることをおすすめします」

 ただし、まだ幼い孫に贈与する場合は、孫名義の口座をつくって毎年お金を入れるのは避けるべきだ。孫が成人後も本人が通帳を持っていないと「名義預金」とみなされ、課税される場合がある。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが解説する。

「事あるごとに子供や孫にプレゼントをするのも、老後資金で暮らすようになってからは現実的ではありません。贈り物をしすぎて老後資金が枯渇しては意味がないので、資金に余裕のあるうちから予算を決めたり、誕生日など節目だけにするなど、ルールを設けましょう」

※女性セブン2023年11月30日・12月7日号

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