インフルエンサーは人の心を動かすという意味でなくならないと思いますが、インフルエンサーの中でも、情報をまとめて提供しているだけの人は厳しくなるでしょう。コンテンツにオリジナル性が乏しいため、機械で自動的に作ることもできます。今後は、自分の生き方や人間味を提供していく人のほうが強くなるのではないでしょうか。
ちなみにメタバースの中に人間が唯一持ってきているのは「声」なんです。自分の理想のアバターを着ていても、声だけは自分のままで他の人と話しながら、ゲームをしていたりします。私は、声は最後に「人間味」として残るのではないかと思っています。
また、職業というわけではないかもしれませんが、人の心に寄り添うという点で、宗教の影響力が大きくなるのかもしれません。
そのほか、もちろん、身体性を伴い、機械には代替しづらい消防士や看護師などのエッセンシャルワーカーは残るでしょう。
コストの面で考えるのであれば、そもそも機械でやるより人間のほうがコストが安い作業も残ります。皿洗いやゴミの清掃などは、その仕事のために機械を作るまでもないと考えられるため、なくなりづらいのではないかと考えています。
逆に、作業と作業の中に人が入っているものはほとんど要らなくなるのではないかと思っています。たとえば、経理事務、資料整理といった仕事、データ解析なども厳しくなってくるかもしれません。
広告モデルがAIに変わっても気づかない?
堀江貴文:クリエイティブ業界で生成AIが台頭しつつあるのは緒方さんが強調する通りだ。以前からネットフリックス作品の制作には、ビッグデータが活用されていることが知られていたが、場合によっては人間より的確な判断をすることもあるだろう。このビッグデータとAIを活用すれば、人間のプロデューサーや監督と同じか、それ以上の作品を作るかもしれない。
他にも最近、私のオンラインサロンでは画像生成AIのミッドジャーニーが流行っている。実際、私が発案したパン屋「小麦の奴隷」で、ミッドジャーニーを使って架空のアパレルブランドを作ってみた。デザインも、写っているモデルも、すべてAIが生成したものだ。
ぜひインスタグラムで「dorei_official」と検索してみてほしいが、見れば、そのクオリティの高さに驚くはずだ。プロンプトの出し方さえ工夫すればこのレベルの画像がAIによって生成できてしまう。もう本当に人間のモデルもクリエイターも不要になるだろう。