コロナ禍が明けて自由に国内旅行ができるようになった今、海外からの訪日客も増加し、ホテルの予約が取りにくい状況もあるという。ホテルの部屋といえば、喫煙可能部屋とそうでない禁煙の部屋に分かれるが、禁煙の部屋から埋まっていくケースも多いようだ。
マスコミ関連企業に勤務するAさん(30代女性)は日本各地に出張する機会が多く、仕事の空き時間に現地で観光をするのが趣味。宿泊するホテルは自分で選んで予約するが、「私はタバコを吸わないので禁煙室を予約したいんですが、直前の予約だと喫煙OKの部屋しか残っていないことが結構あるんです」と明かす。
2020年4月に改正健康増進法が施行され、飲食店や病院などが原則的に全面禁煙となった。ホテルや旅館についてはレストランやロビー、大浴場などは禁煙だが、客室については適用除外。そのため「喫煙室(喫煙ルーム)」と「禁煙室(禁煙ルーム)」があるのだ。
ホテルの禁煙室の予約が早く埋まるのは、単純に非喫煙者の割合が多いだけでなく、実は禁煙室を利用する喫煙者がいることも影響している。自営業のBさん(40代男性)は喫煙者だが、ホテルを予約する際は「禁煙室を選ぶことが多い」と話す。
「喫煙者といえども、ホテルの喫煙室に染みつているタバコのにおいは苦手なんですよね。自宅でも必ずベランダや換気扇の下で吸いますし、飲食店も基本的に禁煙か、喫煙ルームがある店を選びます。
タバコを吸うためだけのスペースで、タバコのにおいがするのは全然気にならないのですが、生活空間は極力タバコのにおいはない方がいい、というのが本音。だからホテルも禁煙室を選びたい。宿泊時にタバコを吸いたくなったら、喫煙所で吸います」