都市部から離れれば敷地が5万坪ある里山型樹木葬も
当初は自宅から近い場所での樹木葬を探していた人が、最終的には少し離れた場所に落ち着くケースもある。茨城県の常陸国出雲大社の運営する樹木葬には、そうした辿り着く人が少なくないのだという。
ここは前出の岩手県一関市にある知勝院が始めた「里山型」を踏襲する関東最大級の樹木葬墓地だ。広大な山肌に区画された土地を購入し、自然に還る素材の布で包んだ遺骨をカロートではなく土の中に直接埋める。
同大社権宮司の高橋正重氏に聞いた。
「今から14年前に、一関の知勝院さんの里山式樹木葬のことを知り、これだと思って始めました。社の裏にある5万坪の土地全体を墓地として、現在6区画、1万8000霊分の樹木葬墓を展開しています」
山の斜面をそのまま使った大規模な樹木葬。敷地内に敷かれたアスファルト道にはどんぐりの実が沢山落ちている。
「こちらには、2m四方の土地にそれぞれシンボルツリーを植樹した一般区画と、広い場所を55cm四方に区切った合同区画の2種類があります。一般区画には10~15霊は埋葬できます。合同区画は1霊のみ埋葬できます。お値段は一般区画が50万~100万円で、合同区画が30万円です」(高橋氏)
こうした樹木葬をイメージしていた場合、都市部で探すのは不可能だ。通いやすい都市型か、樹木葬本来の里山型か。それぞれのライフスタイルを考え合わせ、慎重に選ばなくてはならない。