コロナが5類に移行して半年あまり、海外も旅行先の選択肢に入ってきた。しかし今年は円安と物価高のダブルパンチなどで、年末年始の長期休暇を前にしても「旅行熱がいまいち盛り上がらない」という人たちも少なくないようだ。
エクスペディア・ジャパンの「年末年始の旅行に関する意識調査」(11月29日発表)によると、「年末年始に旅行する予定がある」と回答したのは45%で、「予定がない」が55%という結果に。また「費用を考慮せず旅行できるとしたら、旅行したいか」という問いについては、「したい」と答えた人が83%にのぼりながらも、「海外旅行がしたい」15%、「海外・国内旅行がしたい」14%に対し、「国内旅行がしたい」54%と、海外旅行は少数派。旅行するか否かの判断や旅行先の選択で、円安が「影響した」と回答した人は35%と、3人に1人を占めた。
国内旅行を希望する人が多い中、当初は海外旅行を予定していたが国内に変更した人たちもいる。海外旅行を断念するまでの葛藤と円安だけではない決断理由に迫った。
ポキ丼3000円に「心が折れた」
メーカー勤務の40代男性・Aさんは、2人の子供たちと家族でハワイに行く計画を立てていたが、現地での食費を知ってたじろいだ。
「今年ハワイへ旅行した友人の話によると、ハワイ名物のポキ丼が約3000円で、全体的に物価は日本の3倍という体感とのこと。
仮にLCC(格安航空会社)で安く航空券をゲットできたとしても、現地で過ごすお金が嵩みそうなのが心配でした。ハワイは日本人観光客が減少し、アメリカ入国審査を日本国内で手続きできるように簡素化する話が出ていますが、手続きの問題ではありません」
Aさんは「無理して行く必要もない」と判断。家族には「今年は国内に目を向ける」と宣言した。
「仮に行ったとして、いちいち“これは高いな……”などと思いながら旅行をするぐらいなら、いっそ行かないほうが精神衛生上いいと思いました。今年はどこかに出かけるとしても国内で、ハウステンボスや○○村のような海外気分を味わえるテーマパーク系もいいなと思っています」(Aさん)