【ケース4】親が認知症で塩漬けに
親の存命中に実家が空き家になるケースもある。千葉県在住の50代男性Eさんの父親は、認知症を患って施設への入居を余儀なくされた。
「父はもともと一人暮らしだったので、住む人がいなくなる実家を売却して施設入所費用にしようとしました。ところが、所有者が認知症だと法的手続きができないというのです。法定後見人を付ければいいと言われたが、報酬が毎月3万円もかかるというので諦めました。実家を取り壊すにしても、父が亡くなって相続できるまで待つしかないようです……」
前出・上田氏は「認知症が原因で実家の空き家状態が継続しているケースは非常に多い。事前の備えがなければこうした事態には対応できません」と指摘する。
※週刊ポスト2023年12月22日号
次のページ:【やり方】親の生前から始める「実家じまい」フローチャート