注文したメニューとその内容
ランチスペシャルセットは、おにぎりによって値段が変わり、ベースの塩むすびなら22ドル(約2400円)。筆者はプラス4ドル(約430円)で「卵黄醤油漬けおにぎり」を選んだ。この日のメインのおかずは豚の角煮、副菜は茶そばと卵焼き。ランチに合計26ドル(約2800円)とは、日本の感覚からすればなかなかの値段ではある。
まずは肝心のおにぎりから。「卵黄醤油漬けおにぎり」は、一番上にちょこんと卵黄漬けがのせられている。一口目で具がなくなってしまうのではないかと心配したが、中にも卵黄漬けが入っていて、最後まで具材の存在感を堪能。米は宮城県産の「ひとめぼれ」を使用しているそうで、異国にいるとは思えないほど“日本のおにぎり”を味わえる。
豚の角煮は、甘辛い味付けが食欲をそそり、添えられた粒マスタードが良いアクセント。角煮と交互で、おにぎりを口に運ぶ手がさらにすすむ。
小鉢に入った茶そばは、もずく、とろろ、うずらの卵、ジェル状になったツユが入っており、自分で混ぜるスタイル。ガラスの器がカフェらしいスタイリッシュさがありながらも、日本食ならではの“ねばねば食感”が楽しい。
味噌汁は、貝割れ大根にわかめときのこ類。きのこはしめじと椎茸、マッシュルームという具だくさんで、おかわりも可能。スタッフは皆あたたかい笑顔で、「(味噌汁の)おかわりはどうですか?」と声をかけてくれる配慮も。値段は少々張ったが、ほっとする味と空間に大満足だった。
そんな「Takenaka Onigiri Cafe」は、海外のグルメサイトでも高評価。メニューについて新鮮な具材や美しい見た目を楽しめる、食べ応えがあるという声のほか、店員のサービス面も含めて総合的に称賛の投稿も多数寄せられている。移民が多く、食文化も多様なバンクーバーで、おにぎりが人々を魅了している。(了)