我が家では旅行の話題が出たこともない
当初は「生活水準にそんなに差はないと思っていた」が、Aさんの車は新車だったり子供の習い事に力を入れていたりと、ナオコさんの家庭に比べて生活に余裕が感じられるシーンを多々見かけるようになったという。ランチ会の最中、「Aさんはワンランク上の人だったのかも」と納得しかけたが、同席していたママ友Bさんの返しを聞いたナオコさんは不安に襲われてしまう。
「今度はBさんが『うちもその温泉リゾートを検討したんだけど、今年は関西方面の遊園地で年越しすることにしたのよ。お土産交換しましょうね』と言い出したんです。年越しイベントは高額な特別チケットが必要みたいだし、埼玉からの交通費もかかります。Bさんは派手な生活をするタイプではないだけに、Aさんよりも高額な旅行を計画していると知り、驚きました。
AさんもBさんも年末年始に旅行できるだけの経済力があるのに対して、我が家では旅行の話題すら上ったことがありません。年末年始は公園で一緒に遊んでくれないかな? と思っていたほどです」
「ママ友格差」はどこで生まれたのか
同水準だと思っていたママ友たちの家庭の経済力が、自分の家庭よりも高いことに気付いてしまったナオコさん。最初は単にショックだったものの、次第に相手を羨むような感情に変わっていったという。
「私たちは同じ市内の同じエリアに住んでいて、数年前の同時期に新築建売住宅を購入しています。価格は3000万円台でしたがお互いに『ローンでヒーヒーだね!』と盛り上がっていたのに、実際は私だけが苦しんでいただけで、二人は会話を合わせてくれていたのかな……と気付いたら辛くなりました」
不安に襲われたナオコさんの妄想は徐々にエスカレートしてゆく。