「ワケあり商品」という名前は謙遜しすぎている!
まさに今となっては、大の大人であってもこんな食べ方をしたくなるほどうなぎは高騰していますが、そんな中見つけたのが「ワケありうなぎ」。500グラムのパックが2つ入って3980円でした。となると、100グラム398円。激安です。しかも、この時は「注文したら1500円のクーポンがつくよ」というキャンペーン中で、送料無料の2480円に! こんなに安くていいの?
昔からうなぎの串をビールのつまみにするのは好きだったのですが、その感覚でこの「ワケありうなぎ」を少しずつ食べるのがささやかな幸せとなっています。今、ストックしているワケありうなぎが終わったらまた注文するのでは。
こうしたことは、フードロスの観点からも良いことだと思うんですよね。規格外の野菜や、漁で獲れたいわゆる「根魚」のようなものは、市場価値は低いものの、十分おいしい。そうしたものを食べることは、今や貧乏国家である日本で生活するうえで必要になってくるのではないでしょうか。
その文脈に名を連ねるのが「ワケあり商品」なのす。しかしながら「ワケあり」と言うと、何か劣っているのか? 危険なのか? などと、消費者を不安にさせるニュアンスがある。「ワケありうなぎ」なんかは、通常サイズよりちょっと小さかったり、加工するときに身に切れ目が入ったりしているだけで、別に味は普通のうなぎと何ら変わらない。ただ単に大きさや見た目の問題なわけです。各通販業者・加工業者はむしろ名前を「コスパ抜群商品」「安いがウマい商品」などといった言い方に変えてもいいのでは。
あまりにも「ワケあり商品」という名前は謙遜し過ぎているように感じた今回のうなぎ購入でした。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など多数。最新刊は『日本をダサくした「空気」』(徳間書店)。