「ふるさと納税」がここ数年来活況を呈している。「寄付」扱いになるため節税ができるだけでなく、各自治体の特産品を贈ってもらえるからだ。しかしながら「ふるさと納税」には思わぬ落とし穴も存在する。2015年に「ふるさと納税地獄」に陥った経験を持つネットニュース編集者の中川淳一郎氏が当時の反省を振り返るとともに、理想的なふるさと納税の活用法を解説する。
* * *
2015年頃、ふるさと納税は「やればお得ですよ!」「こんなおいしいものが届くんですよ!」「やらないのは損ですよ!」といった喧伝のされ方をしていました。ふるさと納税をするには「さとふる」と「ふるさとチョイス」という専門サイトを使うと一覧で見られて便利なのですが、私はこの年、大失敗をしてしまいました。
私は立場上、会社経営者なので、税理士がついているのですが、「どれだけふるさと納税できますかね?」と彼女に相談したところ「40万~50万円ぐらいは大丈夫ですよ。そこまでであれば節税できます」と言われたような気がするのですね。
しかし、ふるさと納税ってものは、各地の魅力的な海・山の食材が次々と並ぶわけで、今考えても頭がどうかしていたとしか思えないのですが、1年間で200万円ほどをふるさと納税に使ってしまったのでした。となれば、まったく節税にもならないばかりか、単に各自治体に「貢ぎ物」をしている状態になってしまうのです。税理士からも呆れられるばかりでなく、弊社の社員・Y嬢からも「いい加減にして!」と怒られる始末でした。以後、自重し、ふるさと納税は控えめにしております。