株価が下落すると大きな不安を感じるものだが、長期積み立て投資を行なう場合、大きなチャンスと考えることができる。著書『この世でいちばん臆病な投資生活』が話題の資産形成コンサルタント・福田猛氏が、積み立て投資の考え方についてチャートを用いながら解説する。【前後編の後編。前編から読む】
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資産運用の究極は「忘れていられること」です。
私たちは仕事に没頭したり、家族や知人と大事な時間を過ごしたり、趣味を楽しんだり、忙しい日々を送っています。そんな日常生活で、毎日「いくら増えたかな」「減っていないかな」と心配するより、忘れていられるほうが健全な生活を送れます。
投資信託の積み立て投資なら、それを実現できます。
普通は、何年にもわたって一直線に近い形で右肩上がりに値上がりしている商品は、この先も右肩上がりが続くだろうと、迷わず選ぶでしょう。
しかし、積み立て投資にとってはあまりいい商品ではありません。なぜなら、値下がりして口数を増やすチャンスがほとんどないからです。それどころか、右肩上がりだと毎月買える口数が減っていきます。
また、価格が変動せず横ばいの商品も、あまり積み立て投資の威力を発揮できません。小さく下がって、小さく上がっている場合は、量を買えず、価格も上昇していないためそれほど変化は起きなくなります。安定しすぎているのは、積み立てには向いていないのです。