論理的思考力か、クリエイティブ性か
私立中高一貫校を見ていると、難関校では論文作成といった論理的な思考力を鍛えるカリキュラムを実施する。一方で新興の中堅校ではレポートの代わりに動画を撮影させ、生徒同士で評価しあうという課題を出しているところもある。共感力や創作力を伸ばすようなカリキュラムを試していく。
論理的であることの欠点として、論理から外れたことへの想像力や共感力が足りなくなることがあろう。しかし、多様化する社会の中では実はその共感力も必要で、そこから新しいものが生まれていく。
ある中学受験塾の塾長のブログに「何かをやるということは何かをやらない」とある。人間の時間や体力には限りがあり、それをどう有効に使っていくためには、そのためには自分の資質にあった努力をすべきだろう。
論理的な思考力が高い芸人と、クリエイティブ性が高い芸人がいて、それぞれにあった方法でキャリアを切り開いていけるわけだ。お笑いの世界もキャリアの積み方に多様性が拡がっている。
(了。前編から読む)
【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/ノンフィクションライター。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)は中学受験ノンフィクションとして話題に。「ダイヤモンド教育ラボ」(ダイヤモンド社)、「中学受験ナビ」(マイナビ)で連載をしている。