武者:私もほぼ同じ意見で、やはり製造業はいい。具体的には最高益のトヨタ自動車や半導体製造の東京エレクトロンなどでしょうか。インバウンド狙いで三越伊勢丹ホールディングスも挙げておきたい。日本のカルチャー産業にはアドバンテージがあるので、ゲームの任天堂なども狙い目でしょう。あとは食品産業や外食などの食文化も注目セクターです。
付け加えると、アベノミクスが始まる直前、日経平均は8000円台で、それから10年間で4倍の3万2000円を超えた。だとすれば、今後10年で「10万円」になってもおかしくはないんです。
馬渕:本格的なインフレ局面を迎えると、お金を銀行に置いたままでは実質的に目減りします。アインシュタインが「複利は人類最大の発明」といったように、何も難しく考えないで「ほったらかし投資」でも増えていく。新NISAを機に、ぜひ意識を変えてみてほしいと思います。
(了。第1回から読む)
【プロフィール】
武者陵司(むしゃ・りょうじ)/1949年生まれ、長野県出身。(株)武者リサーチ代表、投資ストラテジスト。1973年大和証券入社後、ドイツ証券副会長などを歴任し、2009年より現職。
馬渕磨理子(まぶち・まりこ)/滋賀県出身。京大院卒。日本金融経済研究所代表理事、経済アナリスト。ニュース番組『FNN Live News α』(フジテレビ系)にコメンテーターとしてレギュラー出演中。
※週刊ポスト2024年1月12・19日号