1月1日に起こった能登半島地震では、石川県珠洲市や輪島市を中心に200軒以上の建物の倒壊が確認されており、今後その数はさらに増える見込みだと言われている。いざ地震に見舞われた時、私たちは命を守るためにどんな行動をするべきか。女性セブン2023年9月7日号の記事を、再掲載する。
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いつ起こるかわからない地震には、「ふだんからの防災意識と備えがものをいう」と、防災アドバイザーの岡部梨恵子さんは話す。
「家族が生き延びられるための食料とともに、水(1人あたり1日3L×家族の人数)は、最低でも3日分必要です。それと、災害時のトイレは深刻な問題なので、簡易トイレ、非常用トイレセットを自宅に必ず常備すること。便などの強烈なにおいが漏れてしまうので、においを封じ込めるタイプのトイレを用意しましょう」(岡部さん・以下同)
1981(昭和56)年以前に建てられた住宅は、旧耐震基のため震度5強以上の揺れが起こると倒壊する恐れがある。また、1981年以降に建てられた家でも、建物の老朽化や地盤によって震度5強以上で倒壊する恐れがあり、必ずしも安心できるとは限らない。
「自宅を含め、耐震性が不明な建物の屋内で地震に遭遇した場合は、頭をクッションやかばんなどで覆い、身の安全を確保してから外に逃げましょう」
家の中で揺れたら すぐに廊下に逃げる
実際に揺れを感じたら、まず机の下に頭を隠すというのは子供の頃からの避難訓練で身についている人も多い。
「マンション高層階は、長周期の揺れで机ごと移動する危険があり、耐震性のない古い建物の場合は、家屋が倒壊すると、机ごとつぶれる可能性があります。クッションなどで頭を覆い、廊下や玄関など、落下物に当たる危険性が少ない安全な場所に移動し、体を低くして揺れが収まるのを待ちましょう」
地震に備えて、日頃から廊下や玄関にはなるべくものを置かず、片付けておく。
料理中にぐらっときたら火の元からできるだけ離れる
最近のコンロは震度5程度の揺れで、自動的に火が消えるので慌てて消す必要はない。たとえば揚げ物をしているときに強い揺れを感じた場合はどうすればいいのだろう。
「コンロの火を止めてから逃げろといわれますが、これは逆に危険。火を止めているうちに、揺れで鍋や熱い油やお湯が降りかかり、火傷や大けがをする可能性があります。現在は震度5相当以上を感知するとガスメーターが自動的にガスを止めるので、強い揺れを感じたら、火は止めずにすぐにコンロから離れてください」