葬式を出さず、戒名をつけないことを家族と共有
そうした苦労を経験した森永さんが実践しているのが諸々の相続対策だ。
「お父さんの死後に散々苦しめられた森永さんは、資産管理は事前に家族と共有すべきだったと反省して資産リストを作成した。子供たちが争わないよう遺言書も残す方針だそうです。
愛蔵コレクションを収容したB宝館は、森永さんのコレクション精神を受け継ぐ次男に相続されるようですし、死後にかかるお金を節約するために葬式を出さず、戒名をつけないことも家族に共有している。倹約家の森永さんらしい堅実なやり方だと思いますよ」(前出・森永さんの知人)
病床においても、残される者に迷惑をかけまいとする揺るがない気持ちこそ、亡き父がもたらした最大の教訓なのかもしれない。
家族に見守られて闘病を続ける森永さんは、自身の今後と相続についてこう語る。
「相続については、すでに作ってあった資産リストを子供たちに渡しました。病院の診察室に妻と一緒に入って情報を完全共有しているので、病気については妻と何も話し合っていません。いまのところ標準治療を行い、高額療養費制度があるので多額の医療費はかかっておらず、自由診療にするかは今後の展開次第です」
現在、森永さんは抗がん剤治療の傍ら、これまでさまざまな事情で明かされなかった「日本経済の真実」を明かす本の執筆を試み、今年春の刊行を目指しているという。多くの人が森永さんの新著を楽しみに待っている。
※女性セブン2024年1月18・25日号