気になる金利は?
有利子の奨学金を借りる場合、もっとも気になるのは金利です。第二種奨学金の場合は、上限3%と決められており、利率が固定されているもの(利率固定方式)と、5年ごとに利率が見直されるもの(利率見直し方式)があります。ちなみに、2023年10月時点で、利率固定方式では1.105%、約5年ごとに利率が見直される利率見直し方式では0.4%です。教育ローンの金利は、だいたい固定で2~4.5%、変動で1.5~3.5%なので、それと比べると、かなり低く設定されています。
日本学生支援機構の場合、奨学金の返済は、卒業してから7ヶ月後、3月に卒業した場合は10月から返済が始まります。平均的な月の返済額は1.5万円で、14~15年かけて完済する人が多いようです。
返済がむずかしくなった場合
奨学金の返済が滞ると、延滞している割賦金額に延滞金(年5%)が課せられます。また延滞が3ヶ月以上続いた場合は、いわゆるブラックリストに掲載され、クレジットカードや住宅ローンの契約ができなくなる可能性があります。万が一、返済がむずかしくなった場合は、早めに相談しましょう。
日本学生支援機構では、返済が滞りそうな時の選択肢としてふたつの制度があります。
【1】返還猶予制度
災害、傷害・疾病、失業など経済的理由から返済が困難な人が対象で、返済を一定期間保留できます。最長10年まで適用でき、その間の延滞金は発生しません。給与所得300万円以下(給与以外の者は所得200万円以下)などの所得要件があります。
【2】減額返還制度
月々の返済額を2分の1または、3分の1に減らすことができる制度。災害、傷害・疾病、その他経済的理由から返還が困難な人が対象で、最長15年まで適用。給与所得325万円以下(給与以外の者は所得225万円以下)などの所得要件あり。
ただし、どちらも返済を免除されるものではありません。
就職した企業に返済してもらえる場合も
2021年4月より、民間企業が、奨学金を借りている社員の返済額の一部、または全額を企業が機構に直接送金できる「奨学金返還支援(代理返還制度)」が発足しました。この制度を利用している企業に就職すれば、奨学金を自分で返済しなくてもよくなります。就職活動の際に、制度の有無を確認しておくとよいでしょう。