2浪までのつもりが泣きのもう1浪…
金融機関で働く50代女性・Bさんには、昨年3浪して大学合格を勝ち取った長男がいる。「限界だった」と振り返る。
「すべての始まりは、現役の時に唯一受かっていた滑り止めの大学を蹴ってしまったことでした。1浪時はその大学も落ち、2浪時はランクを下げたのにすべて落ちました。本人のメンタルも予備校費用の捻出も2浪が限界だと思ったので、もう諦めろという話をしました」
だが、長男から土下座されたことで、泣きのもう1年がスタート。3浪目の結果はどうだったのか。Bさんの長男本人が語ってくれた。
「ずっと志望していた第一志望には落ちました。3浪するとなると、医学部のような、“難しいから仕方ない”的な理由がないといけないようなイメージがありますが、私は文系ですし、ただただその大学にあこがれているだけだったんです。
正直、浪人中ずっと『もう少しのところで届かなかった』『やればできる』などと思い込んでいましたが、実は全然客観視できていなかったんだなと。納得いくまで頑張るのは大切ですが、大学の同級生は現役が多く、私は3歳も年上なので、同学年ながら“さん”付けで呼ばれてしまうなど、距離を置かれていて、最初は友達も作りづらかったです」
とはいえ、長男は前向きだ。
「音楽サークルに入り、先輩という名の同年齢の人たちとも仲良くなったこともあり、年齢差についてはもう何とも思っていません。あと、現役で受かっていたら、コロナ禍の期間とほとんど被っていたわけで、そうなるとキャンパスライフが楽しめず、中退していたかも……。僕の浪人生活にも意味があったんだ、と勝手に思うようにしています」