【3】流動性リスク
売却したい時にすぐ売却できない、希望価格で売却できずに不利な条件で売却してしまったなどのリスクが流動性リスクです。債券は基本的に証券会社との相対取引になるため、株式投資やETFと比較すると、流動性リスクは高くなります。
特に、劣後債やCoCo債などは流動性が低下しやすいので、注意が必要です。また低格付けになるほど、有事の際に流動性は低下する傾向があります。コロナショックの際は、高格付けのアップル(AA+)などは問題なく売買できましたが、ソフトバンクの永久劣後債(B+)などは売買停止になってしまいました。
流動性リスクも満期まで保有する場合は発生しません。
【4】為替変動リスク
外貨建て債券の場合、円ではなく米ドルやユーロなどの外貨で購入や利金、元本の支払いが行われます。そのため、為替レートによっては購入時の元本を下回って損失が出る場合があるので注意が必要です。
例えば、1ドル=100円の時に米ドル建て債券を1万ドル(100万円分)購入したとします。そして、満期時に1ドル=90円の円高になった場合、元本の1万ドルを日本円に換算すると90万円になり、購入時よりも10万円の損失が出てしまいます。
ただし、債券はリターンが見えているため、長く保有すればするほど為替変動リスクへの抵抗力は高まります。なお、円建て債券を購入する場合は、価格変動リスクは発生しません。
【5】カントリーリスク
発行体の政治や経済状態が悪化することで、デフォルトになるリスクです。これは新興国の債券を買う場合に注意すべきで、円建て債券やドル建て債券のような先進国の債券を買う場合はそこまで気にしなくても良いと思います。
債券投資をする前に、これらのリスクについてしっかりと理解しておきましょう。