吉田みく「誰にだって言い分があります」

能登半島地震を機に「防災バッグ」の必要性を痛感した30代独身男性の迷走 「何が本当に必要かわからずリュックがパンパンに」

市販の防災用品にはカバンがセットのものも(イメージ)

市販の防災用品にはカバンがセットのものも(イメージ)

「今までの自分の考えが甘かった」

 埼玉県在住の会社員・ユウスケさん(仮名、38歳)は、独身の一人暮らし。今まで一度も非常用品を揃えたことがないと話す。

「平日は職場に朝から晩までいますし、休日は一日中外出することが多い。自宅にいる機会が少ないので、非常用持ち出し袋の重要性はあまり感じておらず、今まで準備する機会はありませんでした」(ユウスケさん、以下同)

 しかし、今回の能登半島地震をきっかけに考えが変わったという。

「まさか、元日に大きな地震が来るとは想像もしていませんでした。ニュースで見た被災地の現状に、今までの自分の考えが甘かったことを痛感。会社には防災グッズや備蓄品が揃っていますが、自宅には非常時に持ち出せる水や食料もありません。自宅にいる時間がそこまで長いわけではないですが、初めて防災バッグを用意しなければと思うようになったんです」

 とはいえ、いざ用意しようにも、自分には何が必要なのかわからない。

「食料、水、着替え、防寒具、ソーラーパネルが付いた充電器……考えれば考えるほど、あれもこれも必要ではと思い出し始めました。災害時には火事場泥棒も多いと聞きましたので、現金、通帳や印鑑も持って行かなくては……と、思いつくものを適当なリュックに入れていたらあっという間にパンパンになり、どれを選んで入れるべきか分からなくなってしまったんです」

 最終的に、ユウスケさんは市販の1人用防災グッズセット購入。価格は1万円超だったものの、「救急時に使える医療グッズや簡易トイレなど、必要なものが無駄なく揃っているので安心できました」と話していた。他にも、防火・防水機能のある頑丈な素材で作られたリュックであることも決め手だったという。「自宅用だけでなく、近々車にも防災バッグを載せる予定」と話していた。

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