死者数は5万人を超え、190万人以上が避難生活を強いられるなど混乱が続くトルコ・シリア大地震。「30年以内に巨大地震が起こる確率は70%」といわれる地震大国・日本も他人事ではない。もしものときに命を守るため、防災グッズを持ち歩くことも必要だろう──。
兵庫県明石市出身の気象予報士・蓬莱大介さんは、小学6年生のとき阪神・淡路大震災を経験した。
「揺れの感覚や、余震が来る際、地面から聞こえてくる『ゴォーッ』という音は、いまでも時折思い出します」(蓬莱さん・以下同)
キャスターデビューの約2週間前に東日本大震災が発生。
「想像を超える災害を目にしてなす術がなかったです。ある程度予測のできる台風と違い、地震は予期せず起こるので、できることは日頃からの“備え”。自然に対する向き合い方を考えさせられました」
そんな蓬莱さんの必携アイテムは至ってシンプルだ。
「できるだけ荷物を持ちたくないので、その中で最低限、命を守るための備えです。万が一閉じ込められて助けを呼ぶときに笛は必要だし、このくらいなら負担もない(笑い)。電池式モバイルバッテリーは日常でも使っています。災害時は、とにかく情報収集と連絡手段の確保が大切。家族と離れていても、連絡がつけばひとまず安心できます」
災害時は正しい情報を得ることが重要。そこで蓬莱さんが推奨するのが、各都道府県が独自に提供する災害情報ポータルサイトだ。
「たとえば、私も利用している『おおさか防災ネット』は、電気やガス、水道、鉄道などのインフラ状況や、避難所の開設状況が一括で見られます。県によっては、ハザードマップや河川カメラへのリンクもあります」