予備校が高校時代の友達だらけで緊張感ゼロ
Mさん(40代/男性)は、浪人時代の自分を思い出すと、いまだに“自分に腹が立つ”という。
「ウチの高校は6割が浪人するので、予備校に行っても友達だらけ。そのまま高校生活が続いているような感じで、緊迫感はゼロでした。予備校の授業のレベルは高く、密度も濃いので、1年通えば必ずどこかに受かると思いこんでいました。人気講師の授業を受けているだけで、他の受験生をリードしている気分になっていたんです。
同時に、予備校に通うと『○○大の世界史は近現代しか出ない』とか『○○大の数学では確率が必ず出る』といった余計な情報ばかり覚えてしまい、手抜きを知ってしまう。そんな態度で成績が上がるはずもなく、2浪時は周りに知り合いが1人もいない予備校に変えました」
「2000時間勉強すれば、どこの大学でも受かる」
Sさん(50代/男性)はストイックな受験生時代を送ったが、結果は伴わなかった。
「高3の初日、担任の教師が『2000時間勉強すれば、どこの大学でも受かる』と言い、勉強した時間だけマスを塗りつぶしていくカードを配ったんです。同級生はみな“こんなのやってられるか”と、ほったらかしにしていましたが、私はそれを実行することを決断。
せっせとマスを埋めていく作業をしましたが、結果的に『昨日は○時間勉強したから、今日はやらないで良し』とか『机に向かっていたから勉強時間にカウントしてOK』とか、逆にサボる理由にしてしまいました。
確かに机に向かっている時間は長かったですが、科目ごとの勉強時間の配分がメチャクチャなら、勉強方法も自己流。日本史の年号の語呂合わせを考えるのを勉強時間にカウントしているようでは、合格なんてとても無理です」
不合格だったということは、改善ポイントがあるということ。これから受験する人たちは、先輩たちの勉強方法の失敗を、反面教師にして頑張ってほしい。
(了。前編から読む)