芸能人であろうと、病気は突然襲ってくる。そしてその際は、当然、医療費負担と向き合わなければならない。元お笑いコンビ・ドロンズでタレントの大島直也さん(52)は、2020年に脳梗塞で倒れた。
「僕は当時、すでにライフコンサルタントという保険の資格を持っていて、さらに少額短期保険の資格を取るために勉強を続けていました。実は、倒れたのはその試験に受かった翌日だったんです。忘れもしない1月30日のこと。ただ、保険資格を持っていたにもかかわらず、不覚だったのが、かつて入っていた3つの保険のうち医療保険と生命保険(死亡保障)を解約していたことです」
大島さんは2014年に離婚し、2016年から母親を介護していた。介護で思うように仕事が回らなくなるなか、「解約返戻金欲しさもあってリセットしてしまった」と振り返る。
「がん保険だけ継続して入っていたのですが、脳梗塞では保険金がおりるはずもなく、もったいないことをしたと思いました。倒れたのは、医療保険を解約して3~4年が経った頃だったので」
脳梗塞は脳の血管が詰まって発症する。緊急搬送された大島さんは、抗凝固薬の投与や点滴を受けた。
「目覚めると左目の視界がゆがみ、右目は見えますが真っ直ぐ歩くのが難しい状況でした。手足や発話のリハビリを受けて、退院したのが2月15日でした」
大島さんの入院費は1月30~31日の2日間で3万7450円、2月の15日間で4万4430円だった。
高額療養費制度は、ひと月の入院費の上限を定めた制度であり、月またぎで入院した大島さんは「わずか1587円しか戻ってこなかった。これは痛かったですね」と苦々しく振り返った。