処罰を受けさせるためには、まず警察に被害届を提出したり、告訴をしたりして捜査を開始してもらわないと始まりません。ただ、マンションの管理組合などがこうした手続きを取っても、警察がどの程度犯人捜しや逮捕に力を尽くすかは事案によりさまざまであり一概には言えません。
犯人の行為が花壇荒らしともいえる乱暴な態様で、花壇全体が台無しになる状態にしたり、きれいな花だけごっそり盗んで売り物にする意思がうかがえるような悪質なものであれば、社会秩序を乱す度合いが大きいので、防犯カメラで犯人が特定できていることからも、積極的な捜査を期待できます。しかし、時々1、2本盗んでいくだけの場合、普段多くの深刻な犯罪に対応している警察にどれほどの労力を割いてもらえるかはわかりません。
警察に相談し、凶暴性が予想されない場合には、見張っていて現場を押さえ、直ちに警察に来てもらう態勢を取っておくのがよいと思います。かわいい花を愛でて時々盗む花盗人であれば、厳しく説諭してもらえば再犯の恐れはないと思います。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2024年2月8日号