その理由は、まず親権者の役割が求められる日常的な対外関係は、保育所や就学後の学校とのかかわりです。今後、あなたの予定する通所や通学スタイルが続けば、普段これらの機関と接触することになる元夫の方がより効果的に親権者として行動できると思われます。
監護という面でも、あなたには保育所との直接の接触がなく、子供の保育所における状態などについて充分なコミュニケーションが取れず、必要な情報が得られない恐れもあります。
情操面では、幼児ですから母親の立場が重視されますが、前述のような変則的な日常生活の結果、元夫の方が親子の接触機会が多いと判断される状態になるのであれば気になります。
根本は、子供の送迎による減収という経済問題です。離婚後の住まいや職場近くの保育所への変更や延長保育、送迎保育ステーションの利用などは考えられませんか。延長保育等の経費増は交渉事ですが、通常の養育費に加算する特別経費としてその一部の負担を元夫に求めることも可能です。また、これらの対応ができず、送迎であなたの収入が減れば、その分元夫に養育費の負担増を求めることも検討できます。
現在別居中ですでに夫が送迎している場合は、その状態を踏まえて、子供の養育に必要な接触が充分確保されているのでしょうから、それほど心配はないと思います。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2024年2月15日号