この男性は「列車内から無くすのであれば、ホームや駅構内、あるいは少なくとも駅の近くには喫煙所を設けるなど、“ここなら絶対にたばこを吸えるところがある”と思える場所を作ってほしいというのが本音です」と続けた。
たしかに近鉄線の車窓から広がる風景は、美しい自然に彩られている。そんな景色を眺めながら仕事のことを忘れて休憩できる空間は、喫煙者にとって癒しの場所でもあったのだろう。
中国人観光客が考える日本と中国のマナーの違い
奈良、大阪、京都と、観光都市を繋ぐ近鉄路線。昨今のインバウンド需要によって、特に韓国や中国、アジア圏からの観光客が利用する機会も多い。近鉄特急を利用したばかりだという中国観光客男性(40代)にも、喫煙室廃止について話を聞いてみた。
「中国でも電車の中では吸えないので、列車内での禁煙化は当然なのかもしれませんが、もったいないなとは思います。中国と違って日本はマナーがよくて、どこも清潔に保たれていますから。
屋外でも屋内でも、分煙の場所で、基本的に大多数の人がルールを守るのは素晴らしいこと。中国では基本的に公共の場では禁煙ですが、喫煙所もろくにないので、どこでたばこを吸っていいのかがわからず、結局適当な場所で吸ってしまう人が多い。
田舎の駅では停車時間に車両の外に出て、駅のホームでたばこを吸う人も結構います。それで電車に置いていかれたりもしていますね(笑)」(前出・中国人男性)