食卓に並ぶ食材として親しみがあるハムだが、食べなくなった人が増えているようだ。総務省の「家計調査(二人以上の世帯)」によると、ハムの年間支出金額は、2015年の5807円から2023年の4750円と減り続け、実に約10年で約20%減少。一方、同じ加工肉でもソーセージは7000円代前半から後半を安定的に推移しており、直近3年では増加傾向にある。なぜハムは選ばれなくなったのか。“ハム離れ”した人たちに聞いてみた。
「ハム=朝食」のイメージが強すぎる
メーカー勤務の30代女性・Aさんは、少し前まで朝食にハムは欠かせない存在だったが、「そういえば最近買わなくなった」と明かす。
「目玉焼きとハム、レタスやトマトといった野菜、パンかご飯というのが、我が家の平日の朝食でした。平日は基本的にこのスタイルで、ハムを切らしていると動揺するほどでした」
そんな「ハムがある暮らし」から、“エッグショック”以降はハムの存在感が急激に薄れてしまったそうだ。
「物価高で家計を見直そうと思っていたところに、卵の価格が高騰。朝ご飯からハムを抜きました。最初は子供たちからも『ないの?』という声が出ていましたが、だんだん慣れました。そもそもよく考えたら、朝の時間がない時に何も考えずに添えていただけ。卵の価格は少し戻ってきましたが、今度はハムがないことに慣れて、レギュラー落ちしたままです。
あと、うちの場合ですが、ハム=朝食というイメージが強すぎて、昼食や夕食用にハムを使う選択肢がないことも、ハムから遠ざかる理由かもしれません」(Aさん)