種類の多い「女性の年金」をどう選択するか
プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さん(58才)が資産形成を始めたのは意外にも遅く、40代後半だった。
「バブル世代なので、昔は節約や貯蓄についてあまり真剣に考えていませんでした(笑い)。50才でファイナンシャルプランナーとして起業して、その後法人化したことでiDeCoを企業型DCにしたり、つみたてNISAで運用していた投資信託はいまでも続けています。株式や不動産投資もひと通りやってきました。
新卒で企業に就職し、28才で結婚した後は専業主婦になったので、基礎年金のほか、特別支給の厚生年金も受け取れます。さらには元勤め先関連の年金もある。私のように“受け取る年金の種類が多い”というパターンは女性に多いんです。結婚前に少しでも厚生年金基金がある会社に勤めていたことがあるなら、企業年金連合会から年金を受け取れる可能性があります。
昔の勤務先に問い合わせるほか、企業年金連合会のウエブサイトでも自分の年金記録を検索できる。たとえ年間数万円だったとしても、それが死ぬまでもらえるので、一度調べてみることをおすすめします。
厚生年金は通常通り65才から、基礎年金は繰り下げて受け取るつもりです。厚生年金は金額が少ない一方、基礎年金だけは金額が変わらない、正真正銘自分だけの年金です。例えば、夫の遺族厚生年金は妻の厚生年金と調整されてしまいます。妻が自分の厚生年金を繰り下げて増やしていると、遺族年金の額は繰り下げ前の額をもとに計算されるため、増額効果は帳消しになるのです。
なお、遺族年金には税金はかかりませんし、将来的に医療や介護サービスを受けるときにも年金収入として計上されないので、増やすなら厚生年金よりも基礎年金の方がいいですよ」
※女性セブン2024年2月29日・3月7日号