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【60代の年金戦略と働き方】橘玲さん、寺田理恵子さん、和田秀樹さんのケース 「80才までは働くつもり」「年金額のために仕事を減らすのは間違っている」

寺田理恵子さん:先が見えないからこそ年金は繰り下げない

 1984年にフジテレビ入社後、元祖アイドル女子アナとして人気を集めた寺田理恵子さん(62才)は、1989年にフリーに転身後、専業主婦に。その後は父の死や母の認知症に加え、2012年には夫が急逝。2014年からは再びフリーアナウンサーとして活躍中だ。

「夫の遺族年金と、フジテレビに勤めていた頃の厚生年金もありますが、金額は多くはありません。受給は通常通り、65才からの予定。夫が突然亡くなったこともあって、人の命の長さはわからないと思うようになったんです。

 夫を亡くした直後はお金を使うことに大きな不安がありました。当時50代で、いくつもアルバイトに応募しましたが、ことごとく不採用になってしまった。この経験から、60才を超えてから仕事に就くことはとても難しいと、いまでも感じています。それでも、朗読教室を開講したり、音読本を出版したり、ボランティアで高齢者サロンを運営したりするなどして、たくさんの人と交流し、社会とつながっています。ローリターンでも、自分が活躍できる場所を広げることはできるはずです。

 年金生活だからと萎縮せず、まずは心だけでも豊かになるように、自分が楽しめる時間を大切にしていくのがいいと感じています」

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