和田秀樹さん:年金受給を遅らせることが働くモチベーションに
「年金はそれまで働いて保険料を納め続けてきた人のための当然の権利」と語るのは、精神科医の和田秀樹さん(63才)だ。
「受給のタイミングについて具体的には考えていませんが、働ける間は年金は受け取らなくていいと思っています。ただ、私は糖尿病と高血圧と心不全を抱えているので、どれくらい長生きできるかはわかりません。それでも、血圧と血糖値を上げすぎないように気をつけつつ、食べたいものも飲みたいお酒も、がまんはまったくしていません。ストレスをためないことが免疫力を上げる秘訣だからです。
医師の言う通りにしていると免疫力が落ちてがんになりやすくなるかもしれないわけですから、私はできる限り自分の好きなことをして、面白おかしく長生きしようと考えています。
年金の受給を遅らせることで“まだまだ頑張ろう”というモチベーションにもつながる。ですが、すべての人が繰り下げるべきだとは思いません。私はたまたま、運よく働けているだけですから。
働きながら年金を受け取る場合、給与収入と厚生年金の合計が月48万円を超えると、年金が減額されてしまいます。でも、だからといって年金額のために仕事を減らすのは間違っている。仕事はお金を稼ぐためだけではなく、社会とのつながりを持つことや自己実現のためでもあります。
そもそも『老後資金2000万円問題』は前提自体が極端すぎます。不安を煽るような情報は特に脳に残りやすく、不安のあまり、せっかく貯めたお金を残したまま亡くなる人も少なくありません。老後こそ、自分のやりたいことにお金を使うべきです」
※女性セブン2024年2月29日・3月7日号