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坂東眞理子さんが語る「年金との付き合い方」 年金は「有形資産」の大切な柱、一方で心が満足する「無形資産」も大切

目に見えない資産も大切に貯蓄・運用して豊かな老後を

「とはいえ、年金だけで生活することができたのは20世紀までの話。いまの時代、老後の資産は公的年金に加え、自分の資産、そしてできる限り長く元気に働くことが3つの柱として必要です。また、週に数回でも出勤して働き、社会との接点を持ち続けることは心身の健康にも大いに役立つ。

 働く女性の中には『130万円の壁』を気にして収入を少なくしようとする人もいますが、この壁は超えないともったいない。たとえ壁を超えて手取りが減らされても、その分は年金として必ず戻ってくるのですから損して得取れです。

 夫の配偶者としてではなく自分の名前でもらえる年金を、みすみす逃さないようにしてください。

 衣食住のうち、住む場所さえあれば、『衣食』は年金収入だけでもカバーできる人も多いでしょう。しかし、だからこそ、健康と心の充足のために、食費は削ってはいけません。私は『食費』として計上するのは料理するための材料費のみにして、友人や家族とのたまの外食は別に予算を立てています。

 老後はお金や住まいといった有形資産だけでなく、経験や心の満足感といった『無形資産』も大切です。無形資産が充実していれば、有形資産はそこそこでも幸せになれるのです。

 だから、貯金が減るのを恐れて同窓会を欠席したり、おしゃれを一切せずに節約に励むのは望ましくない。年に一度くらいは、スカート一着、ブラウス一枚でもいいので“見た目資産”に投資して、自分をワクワクさせてください。青春18きっぷなどでお得に旅行に行くのもいいですね。

 また、働いて得られる充足感や社会とのつながりも無形資産の1つ。いまや家事のスキルも職業になる時代ですから、“自分には学歴も資格もないから”“ずっと専業主婦だったから”などと諦めるほどもったいないことはありません。年金とともに目に見えない資産も大切に貯蓄・運用して豊かな老後を送りましょう」

※女性セブン2024年2月29日・3月7日号

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