転倒したら自動で119番通報
スマホ以外のデジタル機器も大いに役立つ。
「体の変化に気づいてくれるスマートウォッチ(タッチスクリーンが搭載された腕時計型の電子機器)も非常に便利です。スマホのように画面を触って操作することができ、やや大きめの腕時計をはめているような感覚で使用できます。心拍数や歩数を計測し、異変があると知らせてくれます。
画期的なのは一部のApple Watch(※SE、Series4以降、Ultra以降のモデル)に搭載されている転倒時の発信機能。端末の設定アプリ→SOS→転倒検出と選択し、転倒検出をオンにしましょう。着用者が転倒したことを検知すると、警告音を鳴らします。その後1分間着用者に何も動作がない場合は、自動的に119番へ緊急通報してくれます」(コヤマさん)
スマホやスマートウォッチにはGPS機能があり、自分がいまいる場所が救急隊員らと共有される。仮に周囲に誰もいない状態で転倒し、意識を失っていても、位置情報を頼りに救急車が駆けつけてくれるという仕組みだ。
離れた家族や知人に見守ってもらうことができる機器
ただ、慣れない機能を新たに覚えて使いこなす自信がないという人もいるだろう。次に紹介したいのは、デジタル機器を活用して離れた家族や知人に見守ってもらうことができる機器だ。介護エンジニアの福村浩治さんが説明する。
「おすすめは『Echo Show』というスピーカーと液晶画面が一体化した端末です。これを『呼びかけ』機能をオンにして見守りたいかたがいる部屋に設置しておけば、見守る側がスマホやパソコンを操作するだけでタブレット端末とのビデオ通話が可能になります。これならば、見守られる側は応答するだけでいいので、新たな操作を覚える必要はありません。
また、360度回転して部屋全体を映すことができるネットワークカメラを設置すれば、スマホやパソコンからいつでも室内の様子を確認できます。1台5000円程度なので、取り入れやすいかもしれません」
日々の生活を便利にしてくれるデジタル機器。うまく活用すれば、命の危機を救ってくれるかもしれない。
※女性セブン2024年2月29日・3月7日号