「1人あたり、生涯で1800万円」──今年1月から始まった「新NISA」で投資できる上限額だ。夫婦なら3600万円もの投資元本になる。これをもし、年利4%で20年間運用することができれば、利益は約1900万円、元本との合計はなんと約5500万円にもなる。これだけお得な制度を有効活用するためには、投資信託(ファンド)をどう選ぶかが大切なポイントとなるだろう。
ファンド選びの参考になる指標はいくつかある。まず、どれぐらいお金が預けられているかの総額を示す「純資産総額」。そして、一定期間内にそのファンドに「入ってきたお金」と「出て行ったお金」を差し引いた金額を示す「資産流入額」などはチェックしておきたい。
こうした指標のほかに、明確な「実績」で選ぶのも、もちろん有効だ。実績とは、どれだけ利益を出したかということ。
いま米国株が強い理由
直近1年間の「つみたてNISA利回りランキング」を見ると、人気やトレンドランキングの上位“常連”である「S&P500」はここでも上位に入ったが、全世界株式の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(通称・オルカン)は圏外となった。家計再生コンサルタントの横山光昭さんが語る。
「オルカンが全世界の株式に分散している一方で、S&P500はその100%が米国株、という違いがあります。全世界株のオルカンでもそのうち60%ほどは米国株なので、両者の値動きは非常に似通っています。ただし米国株に限定されているS&P500の方がやや値動きが大きく、ハイリターンである一方、リスクも大きくなりやすい傾向があります」