小池百合子知事が東京都独自の子ども・子育て支援策として打ち出した「018(ゼロイチハチ)サポート」の支給が始まった。保護者等が申請すれば、都内在住の0歳から18歳を対象に月額5000円が支給されるこの制度。昨年12月15日までに申請した人には、今年1月に令和5年度分として最大6万円が支払われた(未申請の人は今年3月15日までに申請すれば4月に支給予定)。
令和5年度中の都内在住月数に応じて支給されるが、保護者等の所得制限はなく、年度内に転出または転入した場合でも、各月1日時点の在住状況で1か月分がカウントされる。しかし、なかにはギリギリのタイミングで都外に転出してしまい、対象から外れるケースもあったようだ。千葉県で2人の子供を育児中の30代の会社員女性に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。
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〈すべての子供たちの成長を切れ目なく支えていくため〉としてスタートした東京都の「018サポート」。対象は都内在住の0歳から18歳までの子供で、1人当たり月5000円が支給される。筆者も対象となる子供がいるため申請したところ、令和5年度分が1月に一括で振り込まれた。
6歳と2歳の2人を子育て中の千葉県在住の会社員・アリナさん(仮名、39歳)は、令和5年度が始まる直前の昨年3月に都内から千葉県へ引っ越したことで、018サポートの対象外だったそうだ。
「マイホーム購入に伴い、都内のマンションから千葉郊外の戸建てへ引っ越しました。都内での生活はどこに行くにも便利で、人も多く刺激的でしたが、『千葉ののどかな環境だって素敵……』と感じ始めた矢先、友人から018サポートのことを聞かされたんです」(アリナさん、以下同)
アリナさん夫妻は2020年春からのコロナ禍以降、リモートワークが中心で、月に数回だけ都内のオフィスに出社する生活だった。都内で借りていたマンションの家賃は20万円近くと高いうえ、広々としたスペースが取れないことも千葉に引っ越しを決めた理由だそうだ。
「夫も私もリモート勤務がメインなので通勤時間を気にする必要はありません。駐車場代が高くて都内では叶わなかったマイカー所有もできました。新居の周辺にお店は少なくても、買い物は通販が利用できますし、車があれば不自由を感じることはありません。子供たちも新しい環境に慣れ、自然の中でのびのびとしています」