孫正義氏とトランプ氏の関係に注目
トランプ氏の再登板で化石燃料産業への支援などが実行されれば、化石燃料価格が下がる可能性があるため、「エネルギー関連銘柄」も注目される。とりわけ期待が大きいのが、主に石炭の輸入を手がける住石ホールディングスや三井松島ホールディングスなどだという。岡山氏が語る。
「内需拡大と化石燃料価格低下の両方の恩恵を受けられる可能性が高い。さらに両社は足元の業績も好調で、特に前者は2023年4~12月期の連結決算で、純利益は601%増の53億円を達成している」
安全保障面ではトランプ氏が日本に軍事費の負担増を要請するとみられるが、具体的な「防衛関連銘柄」として岡山氏は「政府の防衛費増額を受けて業績が好調な三菱重工業、川崎重工業、NECは投資対象としての妙味が大きい」とみている。
さらに、トランプ氏との親密な関係が取り沙汰された企業も再び話題となりそうだ。
「2016年の大統領選でトランプ氏が勝利した際、ソフトバンクグループ会長の孫正義氏がいち早くトランプタワーで会談し、米国に総額500億ドルを投資して5万人の雇用を生み出すと確約しました。トランプ氏は孫氏のことを『偉大な人物』と呼び、それに好感を抱いた海外投資家がこぞってソフトバンクグループ株を買い、高騰しました。
トランプ氏が再登板すれば孫氏との個人的な関係が海外投資家にまた注目され、“夢よ、再び”とばかりにソフトバンクグループ株が急騰する可能性があります。現在、グループ傘下の英半導体設計大手・アームの株価が急上昇していることも、買いと判断される材料になるのではないか」(岡山氏)
当然ながら、選挙の結果が出てから仕込むのでは遅い。リスクも踏まえたうえでの判断をするなら、今しかない。
※週刊ポスト2024年3月1日号