カンヌ受賞映画を企画
上位には「カリスマ経営者」が名を連ねる。1位はソフトバンクグループ会長・孫正義氏。保有額は実に3兆円だ。
「英国の半導体メーカー・アーム社買収の成功が大きい。生成AIが存在しない2016年に『これからはAIだ』と3.3兆円でアームを買収。昨夏の上場時は9兆円に化けた。現在は投資家の側面が強く資産を増やし続けている」(同前)
ランキング2位から4位までが「一族」である点も注目される。
「ユニクロ」を手がけるファーストリテイリング会長・柳井正氏、長男で取締役の一海氏、次男で取締役の康治氏と続く。
米ボストン大学でMBAを取得、ゴールドマンサックスに7年間勤務した経験を持つ一海氏と、三菱商事勤務時代にイギリス駐在を経験した康治氏。
柳井会長は世襲を否定するが、いまだ後継候補とも言われる。子会社で経営者の経験を積む一海氏に対し、康治氏はマーケティング分野で活躍。そんな康治氏、実は主演の役所広司がカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞し話題を呼んだ映画『パーフェクトデイズ』の企画・製作を手がけている。
ファッションビジネスジャーナリストの松下久美氏が言う。
「渋谷区の公共トイレを生まれ変わらせるプロジェクトに康治氏が出資したのが始まりです。アートの力を借りようと著名建築家ら16人を起用、1人ずつ直接メッセージを送って交渉しました。トイレを長く綺麗に保つ清掃体制まで考え、その価値を具現化するために映画化を発案。世界的巨匠のヴィム・ヴェンダース監督にも自らコンタクトを取った」