柳井家同様に、一族から3人がランクインしたのが化粧品大手コーセーの小林家。社長・一俊氏(19位)、専務・孝雄氏(21位)、常務・正典氏(23位)。保有金額は各1000億円以上と“大谷超え”。一俊氏は鶴の一声で大谷翔平を広告に起用した逸話がある。
同社の広告キャラクターを選定する際、社内で挙がった韓国の人気グループを推す声を制し、「大谷選手が適任」との直感をもとに自ら交渉。2022年末の契約成立後、大谷はWBCで大活躍。宣伝効果は抜群で男性の来店が13倍になったという。
再び上位に目を転じると、ニデック会長・永守重信氏(5位)、キーエンス名誉会長・滝崎武光氏(6位)らと並び、「令和バブル」の立役者と言える顔ぶれが揃う。
7位には2013年に上場の住宅メーカー、オープンハウスグループ社長・荒井正昭氏がランクイン。
「エネルギッシュな社長として知られ、『荒井将軍』の異名も。同社古参の幹部によると、『会食は必ず一次会で帰って仕事に戻る。元日の半分だけ休み、1年に364.5日仕事している』そうです」(住宅ジャーナリストの榊淳司氏)
9位には2014年に東証マザーズ上場のSHIFT社長・丹下大氏が入った。丹下氏は2005年の創業以来、M&Aを繰り返して規模を拡大。エンジニアを束ねて、各社が開発したソフトウェアのテストや品質保証を外注で受けるビジネスモデルを確立し成長を続ける。
(後編に続く)
※週刊ポスト2024年3月8・15日号