車の出入りは増えても道路は拡張できず昔のまま
一見、国際リゾートとして大成功したようにみえるニセコだが、一方で大きな問題をいくつも抱えている。
「国内のスキーリゾートであれほど海外資本に自由にやられてしまったエリアはないと思っています。例えば、昔からあったホテルやペンションが潰れ、狭い土地に大規模なコンドミニアを作っています。コンドミニアムが増えて車の出入りが増える一方、道路は拡張できず昔のままなので路上駐車が増え、交通渋滞も起きる。インフラ整備が追いつかない状態になっているのです。マスタープランがなかったことがその要因だと思います。
また、問題はインフラだけではありません。冬だけ海外から来て、税金も払わずに稼ぐだけ稼いで自国へ帰ってしまう業者も出てきているようです。スキーレンタルや、インストラクターなど、英語が話せない日本人にはなかなかできないビジネスです。本来は事業者登録をし、当然、税金も払ってやらなければならないことですが白タクのようにルールを守らない事業者もいると聞きます。
本来、地域にとって海外を含む多くの投資が入ることは素晴らしいことで、拒むことはないのですが、外国人や海外資本の受け入れに関しては様々な課題が発生することが懸念されます。共生社会を作るためには、地域独自のルールを作ったり、行政が条例を作ったりするなどして制度を整備、充実させていくことが、これからの課題になっていくでしょう。」(梅川氏)
ニセコのバブルの裏側で、大きな課題が浮き彫りになりつつあるようだ。