投資情報会社・フィスコが、株式市場の2月26日~3月1日の動きを振り返りつつ、3月4日~3月8日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で812.14円高(+2.08%)の39910.82円と上昇した。週初は、値がさ半導体株の上昇一服や、2月22日の日経平均の史上最高値更新によって達成感なども意識されて、プライム市場の主力大型株は上値の重い展開となった。一方、幕間つなぎ的な出遅れ物色が、スタンダード市場やグロース市場に向かったことから中小型株は売買活況。投資家のモメンタムは良好なままで、2月決算企業や8月決算企業の配当に絡んだ売買やTOPIX、MSCIのリバランスなどの売買をこなした週末、東京市場は雰囲気が一変した。
ナスダック指数が史上最高値を更新したことや、フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)が大幅高となったことなどから、東京エレクトロン<8035>が買い優勢で上場来高値を更新。値がさ半導体株の大幅高に、先物・オプション市場で指数に絡んだ買いが入ったとの観測も加わったことから、日経平均は大幅高。40000円の大台に迫る場面が見られた。
なお、2月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を634億円売り越した一方、TOPIX先物2054億円買い越し、225先物は1262億円売り越したことから、合計158億円の小幅買い越しとなった。個人投資家は現物を1138億円売り越し、合計では1247億円売り越している。この週は、米半導体大手エヌビディアの決算を受けて、2月22日に日経平均が史上最高値を更新したが、日経平均押し上げの原動力と見られていた外国人投資家は総合で小幅な買い越しに留まった。おそらく外国人投資家はエネビディア決算発表前にポジションをある程度売っていたことから、週間ベースでは差し引き小幅な買い越しとなったと推測する。
日経平均が39000円水準で日柄調整を迎えたことで、週末の大幅高を加味しても、日経平均の25日移動平均線乖離率は+6.34%と短期的な過熱感を示す+7%を下回っている。ただ、200日移動平均線乖離率は+20.22%とこちらは、短期的な過熱感を示唆する+20%を上回ったことで、短期的な過熱感は意識せざるをない状況と言えよう。日経平均はそろそろ上げ一服を意識しておいた方が良さそうだ。