ただ、TOPIXの史上最高値2884.8ptに3月1日の終値ベースで計算したNT倍率14.73倍をかけると日経平均は42493円という値が算出される。さすがに昨年4月から5月にかけて上昇した日経平均の上昇幅(約6000円)と今回の上昇幅がほぼイコールとなったことも考慮して、そろそろ調整を迎えそうだが、2024年のターゲットとしてこの水準は意識されよう。
下段のスケジュールにもある通り、今週は重要な米国経済指標の発表が相次ぐ。とりわけ、5日の2月ISMサービス業景気指数、6日の2月ADP雇用者数、1月JOLTS求人件数、そして、8日の2月雇用統計が注目されよう。この経済指標は、前回ADP雇用者数以外そろって市場予想を上振れる結果となり、米長期金利上昇、そして、円安ドル高の原動力ともなった。前回と同じように市場予想上振れが相次ぐと、為替は円安ドル高に振れやすくなり、輸出関連銘柄の追い風となろう。2月29日の個人消費支出(PCE)価格指数が市場予想通りだったことでインフレ再燃懸念は後退したが、3月19-20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは、経済指標の結果に一喜一憂する地合いは継続と考えといた方がいい。
一方、強い米経済指標は米長期金利の上昇要因となることから、米国株の上値が重くなる可能性はある。強い米経済指標は諸刃の剣となることから要注意と言えよう。なお、6-7日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言も予定されていることから、今週は為替動向を警戒したい。
今週にかけて、国内は、4日に第4四半期設備投資、2月マネタリーベース、5日に2月東京消費者物価指数、8日に1月国際収支、2月景気ウォッチャー調査などが予定されている。
海外では、5日に中・2月財新コンポジットPMI、財新サービス業PMI、欧・2月ユーロ圏サービス業PMI、米・2月コンポジットPMI(確報値)、2月サービス業PMI(確報値)、1月製造業新規受注、1月耐久財受注(確報値)、2月ISMサービス業景気指数、6日に豪・第4四半期実質GDP、米・2月ADP雇用者数、加・カナダ中銀政策金利、米・1月JOLTS求人件数、週次石油在庫統計、7日に中・2月貿易収支、豪・1月貿易収支、欧・ECB政策金利、米・1月貿易収支、8日に欧・ユーロ圏第4四半期実質GDP(確報値)、米・2月雇用統計などが予定されている。