公表が最後となった2005年の日本の長者番付で一介のサラリーマンにも関わらず1位にランキングされたのが「タワー投資顧問運用部長」の清原達郎氏だった。その後20年で実に個人資産800億円超、投資顧問会社でヘッジファンドを運用し、通算9300%という驚異の実績をあげ「伝説のトレーダー」と呼ばれたが、2023年にファンドを閉じ、引退した。その投資哲学、ノウハウを余すことなく明かした話題書『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)より、その清原氏が今後の日本経済の行方と残されたビジネスチャンスについて解説する。
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今後の日本株を取り巻く環境については漠然と次のように考えています。10年後までの期間の予想とお考えください。
【1】日本経済の実質GDP成長率は良くてゼロ%
【2】日本の人口は減り続け超高齢社会となる。外国人労働者の数は大きくは増えず労働人口は半永久的に減少が続く
【3】日本のインフレ率はそのうちゼロから2%の間に収まる。日本ではスパイラル的なインフレは起きない
【4】日本の金利はわずかしか上がらない。短期金利は上昇しても最大1%まで。長期金利(10年国債)は最大2%まで
【5】為替は120円/USドルへと円高が進む
【6】上場企業の企業収益の成長率は全体としてはインフレ率程度。つまり年率ゼロから2%成長
【7】増配、自社株買いは今後も続く
【8】新NISAで個人投資家激増。政府は株式市場にネガティブな政策は取りにくくなる
迫力のないつまらない予想でしょ?
実質経済成長率ゼロと書きましたが高齢化が急速に進んでいますからねえ。介護費用や医療費などはこれからも増えていくでしょうし、実感ではマイナス成長になると思います。医療保険とか介護保険とか社会保障のコストで日本人は窒息死しそうですよ。「日本の金利が低いままの予想で為替が120円/USドルってお前アホか!」と思われるかもしれませんが、もちろん米国の金利が多少低下するってことを前提にしているのですよ。
日本の悪いところを上げるときりがないのですが、先進国ならどこでも多かれ少なかれ同様の問題を抱えています。全体としてみれば日本は他の先進国に比べると不法移民の問題が極端に小さいため安定した住みやすい社会だと思います。