入学試験の合格発表が終盤にさしかかっているほか、社会人にとっては異動のシーズン。いよいよ新生活が目前に迫るなか、どうしても遠距離通学・通勤になってしまう人たちもいるだろう。毎日の移動が大変そうに思えるが、経験者からは「遠距離通学・通勤から開放されたことで、そこにメリットもあったことにあらためて気付いた」という声もある。片道1時間以上通学・通勤に費やした経験者たちに、話を聞いた。
遠距離をやめたら、便利にはなったが出不精に…
ネイリストの20代・女性Aさんは、栃木県から埼玉県の専門学校に片道約1時間半かけて通っていたが、卒業後は片道約2時間かかる東京のサロンに勤務。現在は、東京にある交際中の彼の家に転がり込んでいる。
「栃木から埼玉の学校に通う人って意外と多いんですよ。そして埼玉まで出たら、もう東京もすぐ。JR宇都宮線で、宇都宮から大宮、赤羽や上野まで1本ですしね。定期券は途中下車し放題なので、いろんなエリアを楽しみやすく、行動範囲を広く持てるのはメリットだと思います」(Aさん)
最近は仕事が遅くなる日が多いため、実家に帰らず、彼の家から職場まで往復するようになったAさん。遠距離移動から離れたことで、「行動範囲に変化があった」ことを明かす。
「朝遅くまで寝ていられるといった変化は近距離になったからこそのメリットですが、明らかに行動範囲が狭まり、出不精になりました……。すべてを近場で済ませられてしまうので、『今日はあそこの○○であれを買おう』と頑張る必要がない。
今までは調べたり自分の足で歩いたりしないと目当てのものが買えなかったりしたし、その道中で『ここにこんなお店ができたんだ』といった新発見もあったなと思います。便利って、つまりは“行動範囲が狭くても成り立つ”システムのことなんだなとしみじみ思っています」(Aさん)