通勤時間が短くなっても「自由時間が増えた気がしない」
商社勤務の20代男性・Cさんは、群馬県から都内の企業に新幹線通勤していたが、転職してからは職場の近くで一人暮らしを始めた。
「以前は新幹線通勤を許してくれる会社だったので、軽井沢から東京まで新幹線を利用し、ドア・ツー・ドアで片道2時間弱。慣れたらなんということはありません。むしろ新幹線は快適に座れてコーヒーを飲んだりパソコンで仕事ができたりするので、満員電車に揺られるよりも格段に快適だったと思います。唯一のネックがあるとしたら、終電が早いので、飲み会は早めに切り上げないといけないことぐらいですね」
その後、職場の近くに住むようになり、Cさんには気付いたことがあった。
「よく、『通勤時間がもったいない』と言われてきましたが、職場の近くになったからといって自由時間が増えた気もしません。朝はダラダラ寝ているだけだし、帰宅時間が早くなっても、余計なことをあれこれしているだけで結局寝る時間は変わりません……(笑)。
どちらかというと、『この電車に乗らなくちゃ』という意識が高かった遠距離通勤時代のほうが時間に敏感で、朝もきちんと起きるし、テキパキ動いていたような気がします。遠距離通勤は、気分転換にもなっていたんだなと今にして思いますね。もちろん、満員電車じゃなければという条件はついてしまいますが」(Cさん)
遠距離通学・通勤には、移動に時間をかけざるを得ないデメリットもあるが、その反面、時間を有効に使う意識も育まれるのかもしれない。(了)