最有力選択肢となる4つのインデックス
では具体的に、どのようなインデックスに投資すればいいだろうか。20年前から勧めてきたのが、日本を除く先進国の株式で構成される「MSCIコクサイ・インデックス」。これに連動するファンドは日本円でのリスクを増やさないので理に適っている。
新興国を含む全世界の株式市場に分散投資するなら、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動したファンドがある。
米国市場は世界のおよそ半分を占めるので、世界株の代替として、有力500社で構成される「S&P500」に連動するファンドに投資してもいい。“投資の神様”ウォーレン・バフェットも、個人投資家にはS&P500を勧めている。
米国株のなかでもハイテク株に期待するなら、巨大テック企業が集うNASDAQ市場に連動したファンドがある。
基本的にはこの4つが最有力の選択肢で、いずれの値動きもほぼ連動しているので優劣はつけがたいし、組み合わせてもいい。自分の考え方や好み、口座のある証券会社で運用コストの安いインデックスファンドを選べばいいのではないか。
【プロフィール】
橘玲(たちばな・あきら)/1959年生まれ。作家。国際金融小説『マネーロンダリング』『タックスヘイヴン』などのほか、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『幸福の「資本」論』など金融・人生設計に関する著作も多数。近著『世界はなぜ地獄になるのか』(小学館新書)がベストセラーに。
※週刊ポスト2024年3月22日号